見出し画像

鳥たちに優しい社会 #01 〜はじめに〜

みなさんこんにちは。野鳥写真家の菅原貴徳です。

 小さい頃に偶然見かけたカワセミの姿をきっかけに野鳥の世界に夢中になり、現在は写真を通して野鳥たちの魅力を伝えたい!と思いながら日々の活動をしています。

街中のカワセミ。
我々の身近にもたくさんの魅力的な鳥たちが暮らしている。
それを知ることが、よい撮影への第一歩。

 これまで、鳥たちが暮らす環境をみなで護っていこうとした時に、野鳥への関心を持つ方が増えること自体は、素直に喜ばしいことと捉えてきました。言うまでもなく野鳥たちはとても魅力的で、その姿を切り取ろうとする作業も実に楽しいものです。また、撮影された写真が記録としての重要性を持ったり、新たな学術的発見をもたらすこともあります。
 しかし、急速な野鳥カメラマン人口の増加や、SNS環境の変化に知識やマナーの普及が追いつかず、撮影のために鳥たちへかかる負担が過度になっているという現場に出くわすことも増えてきました。また、フィールドで野鳥カメラマンに向けた注意看板を目にすることも増えており、遂には野鳥撮影そのものが禁止になるところも…。

 昨今のカメラ機材は、軽量化、連写・手ぶれ補正の向上だけでなく、鳥を認識してピントを合わせてくれるような機能まで実装し、見方によっては野鳥撮影のために進化しているようにも思えます。野鳥撮影を楽しまれる方が急速に増加している背景のひとつと言えそうです。合わせて、SNSの普及もそれに拍車をかけています。筆者もその恩恵を多分に受けています。


休耕田で出会ったセイタカシギ。鳥たちにとって貴重な湿地であり、探鳥地としても魅力的な一方、農家さんはじめ人への配慮が必要な場所でもある。

 すっかり市民権を得ているように思える野鳥撮影ですが、実はこのままでは、これまで通りの野鳥撮影を続けられなくなる、という瀬戸際にあることを、私を含むユーザー、メーカー、みなが今一度認識する必要がある時期に来ています。筆者も、野鳥撮影を広げることが本当に鳥たちのためになっているのか…という自問を繰り返しながら、答えを探っているのが現状です。

静かな森にコゲラが木を突く「コツコツ…」という音が響く。鳥たちの生活を邪魔しない姿勢をみなが共有したい。

 このコラムでは、野鳥写真が社会に貢献できる可能性の部分と、楽しんでいく上で欠かせない知識やマナーの両面をわかりやすくお伝えしていきたいと考えています。何かを押し付けるのではなく、これからも末長く、気持ち良く野鳥撮影を楽しめるように、初心者の方はもちろん、ベテランの方たちもともに、鳥たちとのよい関わりを一緒に考えていくきっかけになれば嬉しく思います。

菅原貴徳:Field Photo Gallery

#omsystem #鳥のきもち #菅原貴徳 #野鳥

最後まで読んでいただき、ありがとうございます! 「OM SYSTEM note」では、「人生を彩る最高の映像体験ストーリー」綴っていきます。 「OM SYSTEM note」のフォローをお願いします。