カメラと見つけて伝える、移りゆく何気ない風景の輝き - 古川 絵里子
小豆島で暮らす7人の女性が、小豆島の日常をOM SYSTEMのカメラで撮って伝えていく「小豆島カメラ」。
今回からメンバー同士がお互いにインタビューをし、一人ずつ紹介していきます。
メンバー全員、主な被写体、写真を通じたメッセージ、カメラを持つことになった背景、写真のトーンが異なり、一人ひとりのカメラ物語があります。どのような7つのストーリーが生まれるか、私も楽しみです。
まずは、メンバーのなかで、最も自然や風景を撮るのが得意な「古川 絵里子さん」を、メンバー黒島慶子がご紹介。古川さんは仕事も早くて丁寧なしっかりさんです。
カメラは、こよなく愛する自然の美しさを伝える大切な相棒
海、貝殻、紅葉、鳥、夕陽…。
四季折々の美しい自然を切り取っていく古川さん。ダイナミックさと繊細さを兼ね合わせ、時にそよ風、ひんやりとした温度や澄んだ空気、時に波音や鳥のさえずりが聞こえてきます。同じ島に住んでいるので、写真に写る風景に私も出会えそうなのに、古川さんの写真は私が見逃していている景色ばかり。同じ景色を撮ったとしても写真の深みが雲泥の差で、驚かされます。
それもそのはず。古川さんは幼少期から自然を愛し、ありのままの美しさを伝えるために撮り続けてきました。
小学生や中学生の頃には、図書館にあるアラスカなどの自然風景の写真集に胸をときめかせ、大学生になると一眼レフを買い、写真部に入って文化祭で展示するなど、自らも写真を通じて自然の美しさを伝え始めました。大学で農学や植物学を学んだ後は、山梨や長野など自然豊かな場所で、自然を伝える仕事「インタープリター」を計4年勤め、その一環として、写真を用いてお客様に自然を伝えてきました。
島外で学び、働いている間も、「いつか小豆島に帰って、小豆島の自然や文化を伝えたいって思っていたんだよね。そしてあるとき、小豆島のリゾートホテルが自然体験ツアーを企画・実施できる人を探していて、その内容なら私の想いも実現できる! と、その話を受けて、念願叶い島に帰って島の自然や魅力を伝え始めた」と古川さんは笑顔で話します。
OM SYSTEMのカメラのおかげで、日常風景の美しさを撮ることができる
古川さんが、日常風景の小さな輝きを撮り逃さないのは、「OM SYSTEM」のカメラがあってこそ。
「OM SYSTEMのカメラは小さくて軽量でパッと素敵な写真が撮れるから、常に持ち歩くようになった。写真を撮る予定がなくても、いつも鞄にカメラを入れている。お陰で目的に応じてカメラを手にして写真を撮るのではなく、日常の中でふと気になったことを切り撮るようになっていった。
海も空も、毎日そばにあるけれど、いつも違う。常にカメラを持ち歩くことで、より一層違って見える。海の色、夕陽が落ちる位置、樹木の色の移り変わり……。そしてカメラを向けてレンズを覗いた時に、はっきりと違いに気づく。それに、カメラがあることで、通り過ぎそうなものにも気づくこともできる。テントウムシがいた! と思ってレンズをむけたら、足元にかわいいキノコも生えてた! みたいな感じ。OM SYSTEMのカメラは、普段の何気ない景色をよりよく見るための相棒」
古川さんは生き生きした目で話してくれました。
小豆島カメラの活動で印象に残る「小豆島撮影ツアー」
小豆島カメラで行ってきたいろんな活動の中で、古川さんにとって特に印象に残る活動は、写真雑誌「PHaT PHOTO」の写真教室講師である神島美明先生と行った「小豆島撮影ツアー」。
「普段は一人で撮っている夕陽とかを参加者のみんなに紹介して、一緒に撮るというだけでどこか新鮮。何より後で神島先生が写真を講評するときに、自分だけでは気づかなかった視点に気づかせてもらえて刺激になった! じゃあ次のツアーではここを案内してみようかなってワクワクしながら思い巡っていたな」
「小豆島は暮らしの中に素敵な被写体、いい景色がゴロゴロある。撮らないと勿体ない! 多くの人に、島のありのままを、気張らず、自分の見せたいものを見せていきたい」と、最後に古川さんが伝えてくれました。
古川さんの風景写真が心に響くのは、自然に対する感度の高さ、自然に対する多様な知識、自然を撮ってきた豊富な経験、そして、何より、自分の写真を見せたいという自己顕示欲ではなく、自然を伝えたいという純白な想いがあるから。そう強く感じました。
文:黒島慶子
写真:古川絵里子、黒島慶子
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