小豆島の「美味しい」に出会う旅
みなさん、こんにちは。「小豆島カメラがおすすめする、見たい、食べたい、会いたい小豆島」5回目は、小豆島カメラの黒島が、美味しいものに出会える生産現場、そして魅力溢れる生産者をご紹介します。
美味しい食材に恵まれた小豆島
私が小豆島の好きなところを真っ先に挙げるなら、食の豊かさ。
海の幸や山の幸はもちろんのこと、風味も楽しめる油であるオリーブオイルやごま油、また醤油の代表産地。その醤油を使った佃煮の生産も盛ん。さらに素麺の3大産地の一つでもあります。そして、このような美味しい食材を作る生産者が素敵なので、みなさんにも出会って欲しい! そう願いを込めて、魅力かつ比較的訪ねやすい生産現場をご紹介します。
オリーブオイル
小豆島で最も有名な食材といえばオリーブ。日本で初めて産業としてオリーブ栽培が成功した地であり、今も国産オリーブ果実の約9割が香川県産です。世界の権威あるオリーブオイルコンテストでも高く評価されている所以は、小さな農家も「小型採油機」を導入し、理想的なタイミングに、思い通りの味と香りになるよう採油。そのオイルをIOC(国際オリーブ協会)の公式パネルとして認定を受けている「香川県オリーブオイル官能評価パネル」による分析と化学で分析。確かな品質として出せる体制が整っています。
○道の駅 小豆島オリーブ公園(収穫祭のイベントは要予約。参加がかかる場合あり/年中無休)
小豆島を代表する観光名所。特に10月末から11月末までは「オリーブ収穫祭」を開催しており、オリーブの収穫体験やオリーブのミニ盆栽作りなど、多様な体験を用意しています。特に「オリーブ大収穫祭」はイベントが盛りだくさん。
○東洋オリーブ(要予約/採油目安は10〜12月。農園の見学は通年平日/参加費無料)
日本のオリーブの会社として最も歴史があり、最大規模の農園。ガイドとともに農園と製造工場をめぐり、オリーブオイルを試飲することができます。
○小豆島岬工房(要予約/採油目安は10〜11月。農園の見学は通年平日/参加費550円)
家族で営むアットホームな農園。農園と製造工場をめぐり、オリーブオイルを試飲することができます。多様な品種があるので、マニアックな方も楽しめます。
○高尾農園(要予約/採油目安は10〜11月前半。農園の見学は都合が合えばいつでも/参加費無料)
採油場を訪ねると、搾りたてのオリーブオイルをいくつか味比べすることができます。
○楽しく農園見学「イズライフ」(要予約/都合が合えばいつでも/参加費無料)
愛されキャラのノリの良い園主が、楽しく真摯に農園を案内してくれます。
木桶仕込み醤油
人よりも大きな伝統ある容器「木桶」で仕込む「木桶仕込み醤油」は、全国の醤油生産量のたった1%程度。そのうちの1/3〜1/4が小豆島産です。木桶仕込み醤油の特徴はバラエティ豊かなこと。木桶に住み着いた目に見えない菌が、どのようにすれば良い働きをするのか。蔵人は自分なりの答えを探し、信じながら造ります。愛がある蔵人が造るとその蔵人らしい美味しさに。小豆島の南東部にある「醤の郷(ひしおのさと)」には木桶で仕込む醤油蔵が密集しているので、短時間で数蔵訪ねることも可能です。
○木桶仕込み醤油の革命家「ヤマロク醤油」(予約不要/年中無休/参加費無料)
今、世界で最も注目を集めている醤油蔵。大量生産に押されて木桶が姿を消す状況を打開するべく、「木桶職人復活プロジェクト」を立ち上げ、木桶づくりの技術の伝承も行っています。予約せずとも年中いつでも蔵の中を案内してくれます。
○正金醤油(要予約/平日のみ/参加費無料)
全て国産の丸大豆と小麦を使い、約120本の木桶で仕込む蔵元。醤油造りのことを偏りなく正直に伝えてくれる藤井社長が造る醤油は、「繊細な食材やだしの風味を活かす使いやすい醤油」と、料理好きの人から好評を得ています。
○マルキン醤油記念館(予約不要/不定休/参加費はWebサイトで要確認)
マルキン醤油(盛田)は、天然醸造用の木桶を306本、他目的も含めば450本余という、世界最多の木桶を使い続ける異例の大手醤油蔵。そんな木桶で熟成する様子を「天然醸造蔵 ギャラリーステージ」で見学可能。併設された記念館では、昔使っていた道具や醤油造りの資料を見ることができます。
佃煮
小豆島産の醤油を使って芋の蔓を炊いたことを皮切りに、佃煮で戦後の島の経済復興を図っていきました。今では培った加工技術をもとに、パスタソースや炊き込みご飯の具など、多様な加工食品を生み出し、食卓を支えています。
○小豆島食品(要予約/平日のみ/参加費無料)
珍しくも「平釜直火炊き」で無添加の佃煮を造る佃煮屋。「無添加ならば素材自体が美味しくないと美味しくならない」と、選りすぐりの最高級の食材を使い、2時間余も手でかき混ぜて炊きあげます。行けば体験できるほか、いろんな佃煮を試食可能。白ご飯をもって行きましょう。
素麺(そうめん)
○なかぶ庵(要予約/水木定休/参加費はWebサイトで要確認)
見学や箸分け体験、そして昼食を食べることができます。ここで食べられる素麺はなんと乾燥させる前の「生(なま)」の素麺。ぷりっぷりで小麦の甘味の豊かな生素麺は必食です。
その他
他にも、日本酒を造る「小豆島酒造」。小豆島の食材を活かした地ビールを造る「まめまめびーる」。これらの生産現場から余る食材などを与えながら放牧豚を育てる「鈴木農園」。そして、その「鈴木農園」の豚と、オリーブの採油後に残る果肉を食べた「オリーブ夢豚」を使って生ハムを作る「小豆島発酵ハム」など、見学ができる誇り高い生産現場が小豆島にはたくさんあります。自分好みの食材や生産現場、そして生産者に出会って、より豊かな食卓にしてみてはいかがでしょうか?
文・写真:黒島 慶子
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