解説!鳥の鳴き声図鑑#010 ~鳥の鳴き声を覚えよう!~
皆様こんにちは。YouTubeチャンネル「解説!鳥の鳴き声図鑑」のみきと申します。3月に入り、少しずつ暖かい日が増えてきましたね。徐々に色々な鳥たちのさえずりも聞かれるようになって、鳴いている鳥が何なのか分かるようになりたい!という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は知識ゼロの初心者だった私が、1年間で鳴き声を100種以上マスターした方法や、覚えるコツについてご紹介します!
さえずりと地鳴き
まず鳥の鳴き声は主に、「さえずり」と「地鳴き」の2種類あります。「さえずり」とは主に繁殖期にオスがメスに求愛するときや、縄張りを誇示するときに出す鳴き声です。一方「地鳴き」はさえずり以外の鳴き声を指し、仲間同士の日常的なコミュニケーションに使われる鳴き声です。地鳴きは単純な鳴き方が多く聞き分けが難しいですが、さえずりは特徴的なメロディーや目立つ鳴き方をする種が多いため、初心者の方はまず特徴が捉えやすい「さえずり」から覚えるのがおすすめです。
春~初夏の早朝に聞こう!
先ほどお話した通り、さえずりは鳥の繁殖期である春~初夏によく聞かれ、特に4月~6月頃がベストシーズン(地域や場所によって異なります)。日の出前から日の出にかけてが鳴き声のピークの時間帯で、午前中に活発な印象ですね。さえずる際は木の天辺や枝先<オオルリの鳴き声(0:40~)>、倒木の上など<ミソサザイの鳴き声(1:05~)>目立つ場所にしばらく留まっていることが多いため、鳴き声をたよりに姿も見つけやすいです。鳴き声がしたら姿(種類)を双眼鏡で確認する…基本的にはこの地道な繰り返しで鳴き声を覚えていきます。
鳴き声の特徴をつかもう!
鳴き声と姿が一致したからといえ一度で覚えられることはなく、何回もフィールドで聞いて徐々に聞き分けられるようになりました。その際に注意していたのが「メロディー」と「声質」です。
例えばメロディーが特徴的な種の場合は、ウグイスだと「法、法華経」<ウグイスの鳴き声(0:05~)>、ホオジロだと「一筆啓上仕り候」<ホオジロの鳴き声(0:10~)>のように、鳴き声を身近な言葉に置き換える「聞きなし」が有効です。それぞれの種に有名な聞きなしがあるのでそれを調べてみるのもいいですし、自分なりの聞こえ方でオリジナルの聞きなしを作ってもいいですね。
また鳥は色々な鳴き方をするため、メロディーやリズムだけでなく声質も併せて覚えるのがおすすめです。高い声、低い声、張りのある声、柔らかい声、甘い声など…どんな声なのかじっくり耳を澄ませてみましょう。またジョウビタキだと自転車のブレーキ音<ジョウビタキの鳴き声(0:30~)>、トビはやかんのお湯が沸くような音…<【解説】鳥の鳴き声9種(猛禽類)0:14~>など、身近な生活音に例えると、声質の印象を自分の中に落とし込みやすいです。
詳しい人とフィールドに出よう!
ただ鳴き声がしても、姿がなかなか見つからず鳥の正体が分からない…ということも多いですよね。そんな時は鳴き声に詳しい人と一緒にフィールドに出て、その場で聞いてその場で教えてもらうのが一番効果的です。私も当時は野鳥の会が主催している探鳥会に毎週参加し、鳴き声だけでなく生態も含めて様々なことを教えていただきました。どんな場所にどんな鳥がいるのか知っておくと、鳴き声の見当もつけやすいですね。
録音しよう!
一人で探鳥する場合は鳴き声を録音しておき、家に帰ってから調べていました。スマホでさっと撮るのもいいですし、専用のレコーダー(リニアPCMレコーダーLS-P5)があると高音から低音までバッチリ拾ってくれて、より正確な音声データを残せるのでおすすめです。YouTubeチャンネル「解説!鳥の鳴き声図鑑」では季節ごとや場所ごとに聞こえる鳥の鳴き声をまとめているので、ぜひその中から探してみてくださいね。
さて、いかがだったでしょうか?鳴き声を覚えるのは決して簡単なことではありませんが、識別できると探鳥時に鳥を見つけやすくなるほか、日常生活もとても楽しくなります。ぜひ今回の記事を参考に、自分なりの覚え方を見つけてみてくださいね。
文・写真・動画:解説!鳥の鳴き声図鑑 みき
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