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Vol.5 目指したのは道具としての信頼性とモノとしての美しさ~デザインとUIの進化~

OM SYSTEMを生み出すモノ作りの裏側「ビハインドストーリー」を社員が語るシリーズ第3弾では、コンパクトなボディーに高画質と高性能を兼ね備え、唯一無二の撮影体験を提供する「OM SYSTEM」のフラッグシップモデル「OM SYSTEM OM-1」(2022年3月発売)について全5話でお届けしています。Vol.5は、OM-1のデザインとUI(ユーザーインターフェース)のお話です。

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生まれ変わったOMの完成形と言える「究極のOMデザイン」を目指した

−ペンタ部のラインにOMシリーズのテイストを強く感じますけど、デザインの点ではどんな点が進化しているんでしょうか?

西原:OM-1は「新しいOMの完成形」がコンセプトです。お気づきの通り、OMらしさをしっかりと受け継ぎながらも、ご覧になって分かるように、曲線を多用したデザインに仕上げています。この曲面によってユーザーとカメラがシームレスに繋がり、カメラが手の一部であるかのような操作性を実現しています。張りのある曲面は、鍛え上げられた力強さを表現できていると思います。

西原:防塵・防滴性能に合わせて、極力段差やエッジをなくすように配慮しました。これによって汚れが付きにくく、付いても拭き取りやすいというメンテナンスの良さを実現しています。

−塗装もこれまでと少し違う印象がありますね。

西原:はい、曲面をより美しく見せるために、塗装も変えています。従来は少し粗めの塗装なんですけど、今回はきめの細かい繊細な塗装を採用しました。

操作感を向上させるこだわりポイントは3Dプリンターでパーツを作って確認した

−ボディの形状や操作性ではどんな工夫がされているんでしょう?

西原:E-M1Xで追加したAF-ONボタンが非常に好評だったので、OM-1にもぜひ搭載したいと考えました。ですがOM-1はE-M1Xに比べてボディサイズが小さい。なのでダイヤル、AF-ONボタン、マルチセレクターの3つの操作系をどう配置すれば使いやすくなるのかということに重点を置いて設計しています。

−実際にどういうことをやってコンパクトなボディに搭載できたんでしょう?

西原:操作部の配置を変えたパーツを3Dプリンターでいくつも作って、どこに配置したら使いやすいのかというのを多くの人に使ってもらって検討しました。ファインダーを覗きながら操作するので、グリップを握りなおすことなく、確実に操作できる必要があるんです。

西原:ホールディングについてもグリップの形を少しずつ変えたものを作って、どういう形状が握りやすのかを検討しました。E-M1 Mark IIIゆずりの指がかりの良さ、そして超望遠ズームの150-400mmを装着しても安定して構えられるE-M1Xの握り心地、その両立を目指しました。 道具としての信頼性とモノとしての美しさの両方を合わせもったデザインになっていると思いますので、ぜひ手に取ってみてもらいたいと思います。

色んな形状・ボタン配置のモックを作り操作性・使用感を最適化した

長年の課題だったメニューを変更

−今回、OM-1ではUI(ユーザーインターフェイス)も大幅に変わりましたよね。最後にその辺りの開発ポイントを教えてください。

西原:そもそもUIを変えようということになったのは、メニューが分かりづらい、設定が多すぎてなかなか目的の項目にたどり着けないといったようなことを長年言われ続けてきたからなんです。開発のポイントとしてはいくつかあるんですけど、いかに検索をしやすくするかが課題でした。横メニューになったことが今回のメニューでの大きな変更点です。

一寸木:一番ご意見・ご要望が多かったのがメニューなんです。だけど、メニューは、撮影とか再生と連動しているので、メニューだけ直すわけにいかない。今回、カメラ全部を見直しているんですけど、撮影機能の方の開発も大変だったので、途中「メニューだけの変更に絞らないと間に合わないんじゃないか」と、日程に迫られたこともありましたが、お客様に素晴らしいカメラをお届けするにはメニューと機能一体でリリースする必要がありましたので、開発が一体となり奮起しました。

−メニューの変更は、使い勝手が変わるのでユーザーに嫌がられませんか?

一寸木:確かに従来の使い勝手とは変わってしまうんですけど、それを差し引いてもメリットが十分あるだろうということで、新メニューを採用しています。十字キーを右にずーっと押していくと、高速でページめくられるようになっていて、検索性が格段に良くなってるところがポイントだと思います。

西原:今までは、左側に分類のタグが並んでいて、さらに上に行ったり下に行ったりして設定しないといけなかったんですけれど、深い階層に入らずに設定できます。

−タブの色にも意味があるんでしょうか?

西原:黄色は従来から続く伝統の色ということで「継承の黄色」です。AF は「合焦の緑」、動画は動画ボタンにも使われている「赤」、再生は「青」という感じで、主要な4機能を象徴色として決めました。残りの4つは色相環でなるべく遠い色を選んでいます。色の意味を覚えてもらうと、探すときに役に立つと思います。

一寸木:いろいろ意味をつけて、直感的に操作できるようにということなんです。中間調の柔らかい色にしているところもデザイナーと擦り合わせたものです。

西原:タブを変えていくと色が変わって、分類が変わったことにすぐ気づけるようにしてあります。また屋外でも認識しやすいようにといった調整もしています。ネットの評判では、グレーアウトの理由 が表示されるは非常に嬉しい、助かるといった声をよく見かけます。


−最後にユーザーの皆さんにメッセージを一言お願いします。

西原:OM-1は、最高の道具であることに拘って開発しました
是非手に取っていただいて、モノとしての美しさ、道具としての信頼感を体感していただくとともに、感動の瞬間を記録し、その感動を存分に表現していただければと思っています。

一寸木:OM-1は新規要素が多く、開発当初から上市まで開発にかけたメンバーの想いはすごく強い製品となっておりますので、自信をもってお勧めできます。細部までこだわりぬいていますので、是非お手に取って頂けると幸いです。

西原・一寸木:私たちは今後もハードウェアとソフトウェアの進化によりOM SYSTEMでしか撮れない世界の拡大にチャレンジしていきますので是非ご期待ください。

■話し手:一寸木達郎(写真左・ELシステム開発2ディレクター)西原芳樹(写真右・製品開発1 ディレクター)
■聞き手:柴田 誠(フォトジャーナリスト)


#創るをツナグ  OM-SYSTEM OM-1の開発ストーリー 全5話終わり

最後にお読みいただきました皆さまへ
ここまで、お読みいただきありがとうございました。
OM-1は、コロナや会社が変わる・・・といった激動の中、みんなが踏ん張って生み出した製品ということで社員にとっても非常に思い出深いカメラです。このカメラの開発にかけた想いを皆さまにお伝えすることが出きればということで発売から2年以上が経ちましたが改めてマガジンとして発行しました。
ーOM SYSTEM note編集チームー


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