解説!鳥の鳴き声図鑑#009 ~徹底比較!メジロとウグイス~
皆様こんにちは。YouTubeチャンネル「解説!鳥の鳴き声図鑑」のみきと申します。
突然ですが、クイズです。上の写真の鳥は、ウグイスでしょうか?それともメジロでしょうか?
-正解は、メジロでした。なぜこのようなクイズを出題したかというと、初心者の方の多くが両種を勘違いして覚えているからです。実際私も野鳥観察を始めるまでは、メジロのことをウグイスだと思い込んでいました。
今回はそんな勘違いされやすい両種の違いについて、見た目から鳴き声、行動に至るまで徹底的に比較していきたいと思います。
見た目の違い
まず一番誤解されているのが、体の色です。メジロは抹茶のような少し黄みがかった明るい緑色なのに対し、ウグイスは灰色みのある淡い黄緑色と、意外にも地味な見た目をしています。
また目元も大きく異なっていて、メジロは目の周りを囲む白いアイリングがトレードマークです。「目白(メジロ)」と、名前の由来にもなっていますね。一方ウグイスは白い眉毛のような模様(眉斑=びはん)と目を横切る黒い線 (過眼線=かがんせん)が特徴的で、全体的に優しい顔つきです。
このように見た目だけでも両種の違いは一目瞭然なのですが、なぜ誤解されてしまうのでしょうか?
その答えは、鳴き声や行動の違いにあります。
鳴き声の違い
まずウグイスの鳴き声を聞いてみましょう。<ウグイスの鳴き声3種(0:05~)>さえずりは「ホ~ホケキョ!」と高らかな歌声で、誰しもが耳にしたことのある覚えやすいメロディーですね。
一方でメジロの鳴き声をお聞きください。<メジロの鳴き声3種(0:27~)>「チュルチュル…」「ピー」など、色々な鳴き方を組み合わせた複雑な鳴き方で、早口で絶え間なく鳴き続けます。甘くて可愛らしい声質ですが、ウグイスと違って特定のメロディーが定まっておらず、印象に残りにくい鳴き方ですね。
行動の違い
では、行動はどうでしょうか。まずメジロですが、お花見中などに梅や桜の木に集まっている姿を見たことがある方も多いかと思います。実はメジロは大の甘党で、花の蜜が好物。舌を器用に使い、蜜を絡め取って食べています。<梅に小鳥が大集合!【野鳥撮影vlog】(0:35~)>10羽前後の小さな群れを作り、蜜を求めて枝から枝へと飛び移りしばらく一定の場所で食事を続けるため、人目に触れる機会が多いです。
一方ウグイスは非常に警戒心が強い鳥です。さえずる際まれに枝先など目立つ場所に出てくることがあるものの、基本的にはササや藪の中に隠れていることが多いです。<ウグイスの鳴き声3種(1:16~)>また人目に付きやすい梅や桜の蜜ではなく昆虫を好んで食べるほか、繁殖期以外は1羽で行動するため、地味な見た目もあいまってなかなか姿に気付きにくいですね。
このように、鳴き声はウグイスのほうがよく聞くものの、姿はメジロのほうがよく見る…というギャップが、勘違いを生んでいるのかもしれません。さらには両種とも生息環境が被っており、自然度がある程度高い公園や林などで同所的に見られるため、余計に混乱してしまうのかもしれませんね。実際、花札の絵柄「梅に鶯(うぐいす)」も、昔の方がメジロと勘違いしてしまったのかな?なんて思っています。
2月に入りウグイスがさえずりの練習を始めたり、メジロが梅の花に集まってきたりと、両種とも春にかけて活発になってきましたね。ぜひ違いに注目しながら観察してみてください。
さて今回の撮影ように梅の木や藪の中など枝が被ってしまう場合でも、OM-1のAI被写体認識AFにより瞬時に野鳥の瞳にピントが合うため助かっています。入り組んだ場所に野鳥がいてピントが動いてしまう場合は、AFターゲットの位置や範囲を手動で調整したり、AI被写体認識AFでピントを合わせた直後MFに切り替えたりと、状況に応じて使い分けるようにしています。
文・写真・動画:解説!鳥の鳴き声図鑑 みき
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