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はじめまして、長浜ローカルフォトです。

【わたしのまちとカメラ Vol.003 長浜ローカルフォト#001 】

こんにちは!長浜ローカルフォトメンバーの川瀬智久です。長浜ローカルフォトの市民団体一員として活動していて、本職は長浜市職員です。

今回長浜ローカルフォトとしては、第1回目の発信ということで、「長浜ローカルフォトってどんな活動しているの?」と「どうしてローカルフォトの活動を始めようと思ったの?」を僕自身の思いも含めてお話しします。

写真でまちを元気に!長浜ローカルフォト

長浜ローカルフォトは、前身の“長浜ローカルフォトアカデミー”を経て、2019年に長浜大好きメンバーで設立しました。よく「写真同好会ですか?」と聞かれますが、もちろん写真を撮ることは大好きです。でもそれだけではなく、写真の力を活かして、長浜のまちを元気にしたいというのが目的にあります。

滋賀県長浜市内に住む人やその暮らしぶりを、写真を通じて地域内外に発信し、長浜ファン(関係人口)を増やすとともに、長浜に暮らす人のまちへの誇り(シビックプライド)を高め、まちが元気になるきっかけをつくるというのがコンセプトです。
現在、メンバー9人が日々長浜の人や暮らしぶりをカメラで切り撮り、地域内外に発信しています。
OM SYSTEMのWEBページに、長浜市のまちの様子も含めて、活動の詳細を紹介していますので、こちらも見てください。

木之本町での初めての撮り歩き サラダパンで有名な「つるやパン」にて

おもいでパン つるやパン [  https://www.tsuruyapan.jp/ ]

写真家MOTOKOさんとの出会い

さて、「どうしてローカルフォトの活動を始めようと思ったの?」ですが、遡ること2015年、当時市の業務で移住定住推進の担当になったばかりでした。国も東京圏への過度の人口集中を是正しようと地方への移住を積極的に進めようと始めた頃になります。

長浜市は、豊かな自然、黒壁ガラスと歴史ある美しい町並み、ユネスコ無形文化遺産登録の長浜曳山まつり、戦国時代の数ある武将が活躍した「戦国の聖地」といったブランドを軸に、全国有数の観光地となっていました。
しかしながら、住んで楽しいまち、移住したくなるまちという定住促進の視点において、まちの魅力を伝えることが課題となっていました。

豊臣秀吉の時代から400年続く「長浜曳山まつり」

実は、前年の2014年まで市の広報担当をしていて、写真が大好きになったこと、そしてあちらこちら市内を取材して、長浜の文化や暮らしぶりの魅力のとりこになっていたため、観光とは違った長浜の暮らしの魅力を写真で発信したいなと思っていました。ちょうどそのときに、「小豆島カメラ」の活動をメディアで知りました。彼女たちの活動の影響で、小豆島にはたくさんの移住者が増えたと聞き、長浜でもこんな活動ができればと思っていました。

さらに、小豆島カメラの仕掛人は写真家の「MOTOKO」さんと聞きました。MOTOKOさんは、これまでも、長浜で若手農家と都会のクリエイターの皆さんと「田園ドリームプロジェクト」を進めていて、農家という仕事に対して自信と誇りを取り戻した実績があり、長浜にもゆかりのある人なので、一度ぜひお会いしたい人でした。

そして、幸運にもMOTOKOさんと出会う機会が訪れました。

中心市街地での撮り歩き 最後にお決まりの集合写真

長浜での写真プロジェクト始動

長浜市北部は特に若者を始めとする人口減が著しく、今残っている若者でまちを活性化させたいと、田園ドリームプロジェクトでつながりあるMOTOKOさんに相談をされていたなかに、僕も呼ばれました。そこからMOTOKOさんとご縁をいただき、地方がおかれている現状、まちの未来について話し合ったり、ご教示いただいたり、さらに、ソトコト編集長の指出一正さんを始め、全国で活躍する方を紹介いただいたりと、無知な僕の知識を高めていただきました。

ソトコト 未来をつくるSDGsマガジン [ https://sotokoto-online.jp/ ]

ちょうど長浜市には、若者が写真を撮りながら長浜を楽しむコミュニティがあり、写真で盛り上がっていたことと、北部の若者の輪のなかには、小豆島カメラのように長浜のまちを盛り上げたいという熱い想いも湧き上がってきていました。MOTOKOさんの“力”と住民の“熱意”が偶然なのか?必然なのか?長浜に揃ったので、「これは写真でまちづくりができるのでは。このチャンスを逃すわけにはいかない」と、写真を生かしたまちづくりプロジェクトを行うことを決断しました。

その後、MOTOKOさんと一緒に伴走支援いただける人として、当時長崎県東彼杵町で、写真でまちづくりを行っていたフォトグラファーの“堀越一孝”さん、そしてこのプロジェクトに共感していただいたオリンパス(現OMデジタルソリューションズ)さんも加わっていただき、長浜での写真プロジェクトの準備が始まりました。

中心市街地での撮り歩き 木之本
中心市街地での撮り歩き 浜ちりめん
写真セレクト講座の様子 写真を見てメンバーの成長ぶりがよくわかります
受講生の1年間の集大成として、長浜で写真展を開催 中心市街地の町家を活用
写真展ではメンバーによるトークイベントも開催

長浜ローカルフォトアカデミーの誕生

写真プロジェクトを行うにあたって、プロジェクト自体は期限付きなので、プロジェクトが終了しても長浜に財産として残ることを意識して検討しました。このため、一過性のイベントのような写真撮影会だけをするのではなく、また写真を撮れる人ではなく、“写真を活かしてまちを元気にできる人”を育てようということになりました。

受講生については、長浜市在住または在勤の人をプロジェクトメンバー10人程度とし、市外の人や、撮り歩きなどをイベントとして楽しみたい人のために、一時参加できるオープンメンバー10人程度を募集しました。
先述したように、長浜市には以前から若者同士で撮影を楽しむ写真好きコミュニティがあったので、人を集めることはそれほど苦にはなりませんでした。

そして、一番大事なことですが、プロジェクトで大切にしたいコンセプトについては、MOTOKOさんがプロジェクト期間中何度も語ってくれた、「美しい風景の写真だけではまちに活気は生まれない。その土地の住民や暮らしぶり撮ること。撮る人はプロの写真家ではなく、地域で住んでいる人。地域で生きる人をその地域の人が撮影することで、撮影する側もされる側も地域の良さを発見しシビックプライドを取り戻し、まちが少しずつ元気になっていく」というローカルフォトの真髄です。

主に風景写真しか撮ってこなかった僕にとっては、なかなか理解できず戸惑っていましたが、実践していくうちに少しずつ理解できるようになりました。これは後に長浜ローカルフォトのメンバーになる受講生も同じでした。皆最初は「写真がうまくなりたいだけで入ったのに、こんな講座だったとは・・」と、だまされた感があると冗談で言っていたくらいですから。今はメンバー皆しっかり理解して活動しています。

また、苦労したことは、市の事業として、かなりの投資と、複数年を視野に事業を行うわけですから、その効果など市民への説明責任が問われます。ローカルフォトをコンセプトとした事業を行政主体で行うことは当時例がなかったし、事業内容も「ただ写真撮って発信するだけ?」と、なかなか理解してもらえない状況でした。そのなかでも、MOTOKOさんの田園ドリームプロジェクトの実績やオリンパス(現OMデジタルソリューションズ)さんの協力などを説明し、財源も市だけでなく、国の地方創生交付金も活用する計画にしたため、ようやく認められました。

こうして、2016年7月に写真の力でまちを元気にする人材育成プロジェクト“長浜ローカルフォトアカデミー”がキックオフしたのです。

大都市圏での写真展(大阪)でのトークイベント 長浜をPR

文:川瀬智久
写真:長浜ローカルフォト

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