解説!鳥の鳴き声図鑑#001 ~初夏の森は野鳥がいっぱい!~
皆様こんにちは!YouTubeチャンネル「解説!鳥の鳴き声図鑑」を運営するみきと申します。本チャンネルでは鳴き声動画や野鳥撮影vlog等、季節ごとの野鳥たちの姿をお届けしています。
さて今回から連載がスタートする「鳥のきもち」では、YouTubeでは紹介しきれなかった野鳥1種1種の魅力を深堀りし、さらには撮影の裏側もお話していきたいと思います。
記念すべき第1回目のテーマは、「初夏の森」。緑が青々と茂り、1年の中で最も生き物の活気溢れる季節になりました。野鳥も繁殖期真っ最中で、オスはお嫁さんをもらうために色々な工夫をしているようで…?今回はそんな初夏の野鳥たちの営みを、ちょっとだけ覗いてみましょう。
木の天辺で、のど自慢!
7月上旬の午後1頃のことです。渓谷沿いを散策していると、野鳥の鳴き声が聞こえてきました。鈴の音に似た繊細な高音と、流れるようなメロディーの正体は…オオルリです!
鳴き声の最後に「ジジッ」という音がつくのが、聞き分けるポイント。
実は、さえずっているのはオス。野鳥界では歌が上手なオスがモテるようで、美しい歌声でメスの心を射止めようというわけです。また「さえずり」には縄張りを主張する意味合いもあるため、声が広く届くような目立つ場所に止まって、時に30分以上も鳴き続けます。オオルリの場合は木の天辺に止まっていることが多いので「オオルリの鳴き声(0:40~)」、鳴き声がしたら周辺の高い木を1本1本確認してみましょう。
さてそんなオオルリですが、美しいのは鳴き声だけではありません。その名の通り、オスの背中や翼はとても美しい瑠璃色です。ただ「春の森は鳥がいっぱい♪野鳥撮影vlog(2:18~)」のように、光が当たっていないと黒っぽく見えることも。
これは構造色といって、色素ではなく光の反射で瑠璃色に見えているためです。CDがキラキラ光って見えるのと、同じ原理ですね。見る角度によってまるで宝石のように色が変わるのも、オオルリの魅力の1つです。
パタパタ可愛い恋ダンス!
時はさかのぼり、4月下旬の午前9時頃。渓流沿いのキャンプ場を歩いていると、沢の方から大きな鳴き声が聞こえてきました。1節10秒以上の複雑で長い鳴き声、耳がキーンとするほどの高音といえば…ミソサザイです!
岩や切り株の上など地面近くで鳴いている場合が多いので、目線を下げて探します。ただミソサザイは、全長10.5cmと日本最小級の小ささ。さらに暗い林内では茶色い身体は周りの岩々に溶け込み、肉眼では見逃してしまうこともあります。そのため私は双眼鏡を使って、ミソサザイが止まりそうな場所を片っ端から覗いて探すようにしていますね。
この日もいつものようにさずえる姿を撮影していると…なんと、翼を広げてパタパタと動かし始めました「ミソサザイの鳴き声(1:21~)」!初めて見る行動に驚き、最初は威嚇しているのかな?とも思ったのですが、実はこれは求愛ダンス。よく見てみると、下の方にいるであろうメスに向かって鳴いているのが分かります。それにしても、短い翼を懸命にパタパタさせるこの姿…本人は必死なのでしょうが、可愛いらしくて思わず微笑んでしまいました。
さて野鳥たちのさえずりをお聞きいただきましたが、動画撮影ではリニアPCMレコーダー「LS-P5」で録音しています。鳴き声の高音まで高音質(96kHz/24bit)でクリアに撮れるほか、水音がとても美しいのもお気に入り。特に今回のような渓流での録音時には、鳴き声の背景にサーっという水のせせらぎが流れることで、まるで森の中にいるかのような臨場感が味わえます。これからのさえずりベストシーズンには、「LS-P5」がますます活躍してくれそうですね。
ぜひ皆さんも、野鳥のさえずりやせせらぎ、虫の声など…色々な自然の音に耳を傾けてみてください。
文・写真・動画:解説!鳥の鳴き声図鑑 みき
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