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フォトグラファーがコーヒーバイヤーになる話。#01 ~初のグアテマラでマヤ文明やコーヒーとの出会い。~

「フォトグラファーがコーヒーバイヤーになる話。」と題して、連載noteをスタートさせて頂きます。私がグアテマラ旅行をきっかけに、日本のコーヒー屋の向こうにある「コーヒーを作っている人たち」に出会い、いつしかコーヒーを買い付けるコーヒーバイヤーとなっていくお話です。
主にコーヒー生産国で撮った写真とそれにまつわるお話を綴ります。


自己紹介

Hola!(オラ!)
はじめまして、コーヒー生産国の写真を撮りつつ、コーヒーの生豆を買い付けて販売を始めている中島慶太と申します。
ご覧いただきありがとうございます!
このnoteでは、中南米(特に中米やメキシコ)が好きで写真を撮っているうちに、コーヒーを買い付けるようになった私の写真とその時のエピソードなどをご紹介していきたいと思います。古い写真も混じっておりますが、ぜひお付き合いください。

【プロフィール】
中島慶太 
東京造形大学デザイン学科卒業
(CGを勉強しに入ったのに卒業制作は写真)
家電量販店、写真事務所、カメラメーカー、コーヒー生豆会社を経て、現在フリーランス。コーヒー農園と生産国をテーマに写真を撮りつつ、コスタリカのコーヒー生産者に直接コーヒー生豆をオーダーし販売中。

これまでの経験
・お店の販売員(コンパクトデジタルカメラ30万画素の頃から)
・カメラマン(最初はフィルムで暗室作業、そこからデジタルの移行の頃)
・カメラメーカーのカメラ量販店担当営業として(コンパクトデジタルカメラ最盛期、デジタル一眼レフカメラの栄枯盛衰、ミラーレス一眼)
・カメラメーカーショールームスーパーバイザー、写真教室講師
・再びカメラマン、写真家(フォトグラファー)として活動

あらためて自分のプロフィールを見直していくと、興味のある事に対して色々な立場から関わっているタイプだと自分では思いました。(すごくポジティブに考えよう)
色々な方にお世話になり、この場を借りて改めて感謝申し上げます。

コーヒー業界へ
最初にグアテマラに行って、コーヒーに目覚めたこと、その後半年間の中南米旅行(+メキシコ)の際に、コーヒー生産国を訪問し、生産者に会って、ホームステイもして彼らと触れ合ったこと、
初の個展でコスタリカのコーヒー生産者の写真を(ギャラリーでコーヒーを飲んで頂きながら)ご覧頂いたことが転機となって、コーヒーの生豆を扱う会社の方と繋がりが出来て、生豆会社の従業員としてコーヒーの原種があるエチオピアへの買付にも同行しました。

中米(中央アメリカ)とは何処のこと?

さて、そもそも中米とはどこだ?

(図:「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」、中央アメリカから引用。
コロンビアからは南米で、ペルーはコロンビアの更に南)

地理上では中米とは、メキシコ(図の左上)の細くなっている場所から、パナマ首都のパナマシティ辺りの細くなっている場所までとなっています。よってメキシコの大部分は北米となるので、中米メキシコとは言わないのがややこしいところです。
(メキシコは日本の5倍も広いので、アメリカ寄りの場所とグアテマラ寄りの場所では、まるで別の国のようです)
よって、中央アメリカ(以下、中米)はグアテマラ、ベリーズ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、以上7カ国からなる地域となります。
(個人的には、これらの歴史を知れば知るほど若干モヤモヤします…歴史好きなひとはググってください。また、非常にややこしいことに、ラテンアメリカという言い方をすると、メキシコ以南の北米大陸、中米、カリブ海地域全域、南アメリカ大陸全域の3地域とその周辺の島々」を指すそうです。この言い方だとキューバとかジャマイカも含まれます)

初グアテマラ訪問

カメラメーカーで営業をしていている時、年末年始も休まず働いていたこともあって、ある時に上司からお休みを頂きその当時のデジタル一眼レフカメラとコンパクトデジタルカメラを握りしめ、親しい友人と初めてグアテマラに旅行に行きました。(16年ほど前、カメラはオリンパスE-500とμ-800)
当時全くスペイン語は話せず、英語で言うThisも分からない状態。
(英語のあまり通じないグアテマラで、今思えばどうやって移動したのか覚えていないです。不思議。)
最初に覚えたスペイン語はバーニョ(トイレという意味。笑)
友人は珈琲屋で働いていたので、彼はコーヒー目的。私はマヤ文明の遺跡が見たかったので、グアテマラに決まったかと思います。

グアテマラってどんな感じ?
マヤ文明からの先住民が今なお独自の言語や文化を保持しながら、徐々に混血が進みつつも現在も国民の半分近くを占めています。当時着いてすぐに思ったのは、日本の人となんだか顔が似ていると感じました。
昔先住民の村の市場で、片言の日本語で石鹸を売っている人に日本語で話しかけてしまった事があります。
先住民の女性はウイピルという民族衣装を着ていて、とても刺繍などで装飾がされて手が込んでいます。(男性はあまり着ていないのですが、場所によっては見ることができます。)
グアテマラはメキシコに続き、ほぼ500年前にスペイン人によって占領されてしまっています。
歴史好きな方は、是非本を読んで遺跡まで行ってほしいのですが、ラテンアメリカ専門のユーチューバーさんがいますので、ご紹介します。
ひさの@ラテンアメリカちゃんねる

 グアテマラの古都アンティグア
アメリカ経由でグアテマラの首都にある空港に到着しましたが、観光の起点になり、コーヒーでも有名な「アンティグア・グアテマラ」(アンティグアだけでも通じる)へ真っ先に向かいました。(首都は治安がねぇ…)
スペイン占領時代1543年から1773年まで、この辺りの首都だったのですが、大地震により遷都された歴史があります。古い町並みが残るとても綺麗な場所で、1979年に登録された世界遺産の町です。町の壁の色などに制限があり見ていて統一感があります。下を見れば、石畳ですが丁寧に直して維持しています。(ただ、スーツケース持参ではガタガタとして歩きにくいですね)
昔の首都なので、日本なら京都のような場所ですね。(アンティグアは英語のアンティーク)

アンティグアに教会は10以上あって見応えがあります。
これは特に有名なラ・メルセー教会です。1751年建設。
アンティグアの中央公園のサンホセカテドラルの裏側にあるかつての大聖堂。
18世紀に数回の地震で破壊されてしまい、廃墟のようになったままになっていて
入場料を払って見学する場所になっています。

アンティグアは標高1500mにあって、乾季はカラッとしていて、昼は軽く暑く夜はちょっと冷える春のような陽気が続きます。町を歩けばブーゲンビリアやカエンカズラなどの花が咲いている。カフェでコーヒーを飲んでいると、中庭がある作りなので花の蜜を目当てにハチドリも飛んできます。

宿の近くに咲いていたブーゲンビリア

カメラを是非持って行ってほしい!
これから行くグアテマラ旅行に行く人には、スマホでなくちゃんとレンズを交換できるミラーレスのデジタル一眼カメラを持って行ってほしいと思います。この時はデジタル一眼レフカメラとコンパクトデジタルカメラの2台体制で行きましたが、今はミラーレス1台とレンズ数本あれば、かなり楽しい撮影が出来ます。中米危ないんでしょ?と良く聞かれますが、アンティグアは観光の町なので、中米トップクラスの安全な町ですよ。
私はこの町が本当に好きで、後日この街でホームステイしながらスペイン語学校に通うことになります。

教会の中に入り、中庭へ歩く。日本と違って、中庭があって噴水なども多い。
中米に行って、すっかりレンガやタイルの建物が好きになってしまった。丸いアーチも面白い。
アンティグアの象徴的建物、サンタカタリーナアーチ。
元々修道院だった左右の建物を修道女が一般の人と接触することなく行き来するための橋として出来た。ガイドブック「地球の歩き方」の表紙になるくらいアンティグアの象徴的建物として知られています。
サンタカタリーナパロポというアンティグアからちょっと離れた
アティトラン湖の村で、お土産を売っていた女の子たち。
この子が持ってたヘアバンドをお土産に買っていったが、会社の女性たちに人気でした。

グアテマラは湖がおすすめです!
グアテマラは有名な湖があって、作家ジョージ・オーウェルが世界一美しい湖と称えた事で有名なアティトラン湖という湖です。上記の女の子の写真はアティトラン湖の湖畔の村の一つで撮った写真です。
 こちらも今後追ってご紹介したいのですが、マヤ文明の遺跡の近くペテン・イツァ湖が自分のお気に入り。アンティグアと違って、標高が下がった場所なので、冬に行ったのに結構暑い場所です。特に夕景に魅せられました。

ペテン・イツァ湖の昼と夕焼け。
夕方には鳥が沢山飛んできていて珍しい鳴き声を聞かせてくれた。

マヤ文明を見にティカル遺跡へ

マヤ文明はとても長い歴史がありますが、その中でも最大規模でもあったグアテマラ北部のティカル遺跡に向かいます。先程の写真の湖畔にある鍵もかからないような安宿に泊まって翌朝に向かいました。

宿の外でティカル遺跡行きのシャトルバスを待っている。
海外だし、ちゃんと来るのか結構心配だった。

50m位のかなり高い木々が生い茂るジャングルの中に、いつもの神殿(階段ピラミッド)がその木々を超える高さでそびえ立っています。この遺跡は紀元前4世紀から9世紀ごろの栄え、最大6万人くらいが暮らしていたが、人口増加による環境破壊を理由に放棄されてしまったと言われています。(諸説あり)
現在もマヤ文明の遺跡は発掘されていないものが多い。これからもっと色々な事が分かってくる筈です。

神殿の一番上から眺め、現在登れなくなってしまった神殿もあります。

コーヒーとの出会い。

アンティグアという名前は、日本のコーヒーに詳しい人なら、結構有名な生産地として知られています。町の郊外には農園があって、見学できる農園もあります。(アソテアやフィラデルフィア)
最初の訪問では、現地ガイドさんを付けてもらっていくつかの農園を見て回りました。今だとコーヒーに関しての情報って、結構調べるといっぱい出てきますが、当時は業者でもない限り知らない情報です。農園で初めてコーヒーの豆って、コーヒーの果実の中身の「種」を乾燥させたものだと分かって結構驚きました。摘んで袋詰すれば輸出出来るものではなかった。コーヒー初心者で、業者でもなかったので、生豆もちゃんと見たこともない。コーヒーの出来上がったものばっかり知っていたので、色々な工程があることが驚きの連続でした。

人の背丈くらい低い木がコーヒーの木。。
一定間隔で見える背の高い木は、日当たりを調整する目的 のシェードツリーと言われるもの。

日差しが強すぎても良くないもの驚いたこと。撮った当時は分からなかったけど、この写真を改めて見て、斜面もなくて道も車が通りやすく、摘み取り作業がしやすそうだと感じる。

ベジャビスタという農園主のグアテマラ人男性。
コーヒーの摘み取り作業について説明してくれています。
摘み取り作業の重要さについて、教えて貰いました。
コーヒーの実を摘んだあと果肉を洗って、広げて乾燥させるとこのような状態に。
カラが付いているのは 乾燥後輸出前には脱穀されます。
上記と違うフィラデルフィアという農園へ。
乾燥中のコーヒー豆は乾燥ムラを避けるため、一定時間ごとに撹拌しています。

実は別の日に半日ほど、農園で摘み取りの作業をさせてもらって(無償)グアテマラ人と一緒に摘み取りをやりました。同じコーヒーの木になった実は熟し方に差があるので、素早く判断しながら手摘みします。
最後に体重計のようなもので計量して給料が出ますが、じっくり丁寧にやりすぎると、摘み取った量が減るので収入が減ります。実際に仕事としてやると、手や服は土で汚れ結構疲れます。
結構真剣に作業しますが、どうしても多少は熟していない実を勢いで摘んじゃうのが難しい。熟していない実はコーヒーとして味が下がるので、丁寧だけど作業の早い人が好まれます。

この写真の農園は、アメリカ人の大学教授だった人が農園主なのですが、彼の入れてくれたコーヒーがとても美味しかった。苦味はかなり少なめでクリーンな味。コーヒーが基本的には苦い飲み物だと思っていたので、結構ショックでとても記憶に残っています。別の農園でも飲みましたが、ここで飲んだコーヒーが自分をコーヒーに目覚めさせてくれた一杯だと思います。農園名がロス二エトス(孫たち)となっていて、きっと子煩悩なんでしょうね。でも帰る頃、「2000万円でここ買わないか?」と言っていました笑。そこで買っていたら、今頃どんな人生になっていたのだろうか。(今こんな価格じゃアンティグアで買えないでしょう)
 
こういったことがきっかけでコーヒーにハマって、次の中南米旅行に繋がっていったと思います。
最後の写真は、コンパクトデジタルカメラで撮った10代のグアテマラ人。泊まった宿にお手伝いさんで来ていたのを撮らせて頂きました。女性もウイピルもとても綺麗でした。
グアパ(guapa)という「カワイイ」を意味するスペイン語を宿の人に教えてもらって、グアパ!グアパ!と声をかけながら写真を撮りました。イケメンならグアポ(guapo)です、お間違えなく。

次回予告

半年間の中南米旅行の写真、コロンビアやペルーの写真をご覧下さい。
コロンビアは(想像どおりやっぱり怖かった)首都ボゴタや、コーヒーをテーマにした国立公園へ。
ペルーでは、クスコ、マチュピチュ、チチカカ湖、ナスカなどの観光の様子です。
 
文・写真:中島 慶太
写真の無断転載は固くお断り致します。

今回の取材で使ったカメラ・レンズ
Camera:
オリンパスE-SYSTEM E-500、μ-800
Lens:
ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5
ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5

※現在扱っている生豆は完売しています。
コスタリカから今年の秋に入荷するコーヒー生豆は予約受付中。 
お問い合わせ先 cafedearabica1974@gmail.com

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