はじめまして、いこまち宣伝部です。
こんにちは!いこまち宣伝部6期生の中村京子です。3人の子供がいる主婦で、宣伝部の活動がきっかけとなり、現在まちの取材や撮影をしています。
今回は第1回目の投稿になりますので、まずは、いこまち宣伝部がどのようにして生まれたのか、何を目指しているのかについて、書かせて頂こうと思います。
いこまち宣伝部とは?
いこまち宣伝部は、奈良県生駒市によって編成される市民PRチームです。部員は地域の人・店・風景・行事などを住民の目線で取材し、市公式SNS(*)『グッドサイクルいこま』で毎月1~2本の記事を発信します。メンバーは公募によって集められ、任期は1年間。現在は、8期生12名が活動しています。
宣伝部員になると、まずは6月~9月の間に5,6回の研修を受講。10月に活動をスタートすると、各自で取材先を選定し、取材・撮影・記事作成まで行う様になります。
OBを含めると、今日までに参加した人数は94名。
この度、その活動が評価され、グッドデザイン賞2022を受賞しました。
(*)SNS…FacebookとInstagram
■グッドデザイン賞2022
地域の魅力を発信する市民PRチーム [いこまち宣伝部] | GOOD DESIGN AWARD
こんな「いこまち宣伝部」ですが、一般市民が自分の視点で地域を取材し、市の媒体を通して発信する取組は、他に例がありません。一体どういう流れで誕生したのでしょう。
事の始まりについて、発案者の大垣さん・村田さんにお話を伺ってみました。
そもそもの始まり
ーーー いこまち宣伝部を始めたきっかけは何ですか?
大垣:
2013~2014年ごろは、自治体Facebookの開設が相次いでいて、市長から「そろそろFacebookを始めるように」と指示がありました。
行政情報を発信するページなんて、絶対見てもらえないからどうしようと悩みました。
一方で、広報紙の読者アンケートから、市民の皆さんがお店や教室などの地域情報を求めていることが分かったんです。この2つを結び付けて事業化しようと思ったのがきっかけです。
■グッドサイクルいこま [ https://www.facebook.com/goodcycleikoma ]
ーーー始めるにあたって工夫されたことは?
大垣:
名前にこだわりました。固くなくて、参加したくなるもの。私や村田など当時の広報担当がまず1人10個ずつ案を出し、さらにそれを見て思いつくものを次々書いて、150以上は出したかな。あとは、対象を18~49歳にしぼったことです。
村田:
並行して、市のFacebookファンを増やすために、職員が半年前から投稿をはじめました。しっかり土壌を作ってから宣伝部に活動してもらいたかったので、とにかく毎日発信し続けました。
ーーー どんな不安がありましたか?
村田:
当時Facebookがようやく世の中に浸透し始めた頃。活動の報酬もないし、やろうと思ってくれる人がいるのかなと。「絶対にうまくいかない」と他部門の人から言われていました。全てが手探りで、とりあえずやってみよう、みたいな(笑)。でも蓋を開けてみると定員の倍の応募があって、驚きました。
初期の活動と立ちはだかる壁
ーーー 『グッドサイクルいこま』のフォロー数は?
村田:
今は「いいね!」が約5700(*)、フォローワーは約6400(*)ですが、徐々に広がってきた感じですね。(*)2022年10月現在
ーーー 予想外だったことはありますか?
大垣:
生駒好きな人が参加してくださると思っていたのに、生駒を知らないから活動を通して好きになりたい、という応募動機が多かったこと(笑)。視点も個性的。でも、校正をなるべくシンプルにおさえることで多様性が生まれて、それがとても良かったと思います。
村田:
単にカメラが習いたかった、とか、会社以外の肩書きを持ちたかったとか応募動機は本当に様々です。そんな方々に、ライター兼フォトグラファーの役割を依頼するわけで。やらされ仕事にならない様に、日常のお互いの関係からよくしたいと思って、1人1人と密に関わってきました。職員の熱意があるから頑張れると言ってもらえることも多いので、それを忘れないようにしたいです。
ーーー 当初から、1年で卒業と決めていたのですか?
大垣:
そうです。「ボランティアは一度やったら抜けられなさそうで怖い」という意見を聞いて。メンバーの入れ替えが起こらず、高齢化に悩む団体は多くあります。それに、地域活動に関わると面倒、という風潮がどこかにある。それを超えたかったんです。たくさんの人に気軽に関わってほしくて、「とにかく終わりを決めておこう」という感じでした。
いこまち宣伝部が目指すもの
--- 宣伝部では OLYMPUS カメラを使用していますね。オリンパス(現 OM デジタルソリューションズ株式会社、以下 OMDS)さんと連携された経緯は?
大垣:
いこまち宣伝部の写真のクオリティを高めることで、まちのイメージや発信力の向上につなげたいと思ったからです。OMDS さんは地域資源の発見・創出や、ローカルフォトなどの魅力発信の事業に力を入れています。令和 2 年度、宣伝部 6 期の時にオリンパス株式会社と協定を結び、機材の貸与やカメラ講座などでご協力頂くようになりました。OMDS となった現在も、その関係が続いています。
--- 今は多くの人がスマホで写真を撮る時代ですが、宣伝部員に一眼カメラを貸与する理由は?
大垣:
宣伝部に入るきっかけとして「カメラを学びたかった」「一眼に挑戦したかった」という人が多いんです。OLYMPUS ブランドのカメラを使えるというのも、毎年定員以上の応募がある理由の 1 つになっています。
村田:
カメラ講座などを通して部員のモチベーションが上がり、1 年間のうちにどんどん写真が上達していくのを実感しています。また、これまで当たり前だと思っていた景色や日常が、実はとても魅力的なんだと気付くようになったりします。良いカメラを持つことで、地域に対するまなざしが変わっていくんでしょうね。
ーーー 地域情報の発信において、写真を使うことのメリットは何でしょうか?
大垣:
写真は、最もストレートにまちの魅力を伝えられる方法ですし、人の記憶に残りやすいですよね。他の地域の方が見ても、生駒の暮らしをイメージしやすいかなと思います。
村田:
撮影やその後のやり取りを通して、宣伝部員と地域の方の関係が、より深くなる気がします。写真が、コミュニケーションのツールとして機能しているのではないでしょうか。卒業後も SNS で発信を続ける人が多く、その後の活動の礎にもなっているように思います。
ーーー 宣伝部をつくって良かったと思うことは?
村田:
情報発信を目的に立ち上げましたが、卒業した人がまちに関わるようになっていったんです。ボランティアを始めたり、活動を立ち上げたり。まちづくりの主役になっておられるのかなと。生駒での暮らしがより楽しそうになっている皆さんの姿を見ていると、本当に良かったなと思います。
大垣:
最初は「生駒がまだ好きになれていない」とか「恐る恐る応募した」と仰っていた方が、本当にまちを好きになって、今では進んで情報発信したり、地域の活動をつくる側に回られているのが嬉しいです。
部員同士の繋がりが生まれたのも良かった。こうやってまちに友達が増えるのは、幸せだなと思います。
ーーー 最後に、いこまち宣伝部の存在意義って何でしょう?
大垣:
人と人を繋げてもらえること。報道機関や行政だけではなく、宣伝部だからこそ発信できるまちのストーリーがある。それを共有することで、まちの見え方や在り方が変わることがあるんです。たくさんの関係が、この活動で育まれました。
みんながどれだけ幸せになったのか、数値で証明するのは難しいけど、宣伝部は幸せの1つのきっかけだし、まちを創っていく存在だと思っています。
いかがでしたか?
いこまち宣伝部は、私たち市民と、それを支える行政職員さんの熱い想いで成り立っています。
共にまちを創る、参加型コミュニティ。
それが宣伝部の姿であり、生駒市で暮らす喜びと楽しみを、日々生み出しています。
文:中村京子
写真:生駒市広報広聴課、中村京子
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