ー 日々の瞬間を撮る ー 何気ない暮らしとその奥にある豊かさ - 居川美保
こんにちは!長浜ローカルフォトメンバーで副代表の山内美和子です。
私は4人の男の子の子育てをしながら、まちづくり・地域活動に関わるお仕事、さらにフォトグラファーとして活動をしています。
さて、”写真でまちを元気に!” をモットーに、OM SYSTEMのカメラを使って長浜の「人」「暮らし」「こと」などを発信している「長浜ローカルフォト」。
第3回目となる今回も、前回に引き続いてメンバーの素顔や、カメラを通して日々感じている事などを深掘りしていきます。
長浜ローカルフォトを構成している9人のメンバーは、年齢・性別・職業みんなさまざま。それぞれがとても個性豊かな人たちです。そんな中でも、写真とともに生活スタイルも個性がひときわ輝く「居川美保さん」をご紹介します!
日々撮り続ける写真
ー ありのままの日常写真。
そこには、子どもたちが一緒に仲良く遊んだり、キッチンで包丁を片手に料理のお手伝いをしたり、毎日の何気ない出来事が切り取られていて、ほっこりと心が温かくなるシーンが映し出されています。
居川さんは毎日のように家族を撮り、自身のSNSを通して発信。それは自分にとって「日記」なのだそう。
そんな彼女の写真に私はどこか独特の世界観を感じていて、カメラのファインダーから覗き込んだ情景は、何一つ歪む事なく真っ直ぐに現れているんだろうな、そう思っています。
「どんな時に撮りたいって思うの?」と聞いてみたところ、返ってきたのは「撮りたい!って思ってなくて。ハッとした時に気づいたら撮ってる、みたいなね。ふふふ。」と、目を細めて答えてくれました。
「無意識のうちに美しいもの・愛おしいものを撮っている」と言う居川さんは、カメラマンの友人が語った『カメラや写真は、愛そのもの』という言葉を今も大切に思い、祈りや願いを込めながらシャッターを切っているそうです。
居川さんが長浜ローカルフォトアカデミーの2期目から参加したきっかけは、子ども同士が同じ園に通う保護者でもあり、アカデミー時代からのメンバーに誘われたことからでした。
当時はSNSも浸透してきた頃で、どこからか日々の投稿を見て、”普段から写真を撮ってる人がいる”と目に留まったのだとか。アカデミーでは写真の撮り方を教えてもらえると聞いて、期待を胸に参加。すでに2期目を迎えていることもあって、実際には基本的なカメラの技術習得というよりも、「ローカルフォトとは何か」「人やまちを撮ることで気付かなかった地元の魅力に気付く」ことを実践的にやって行く事がほとんどでした。「そこはちょっと戸惑ったよ」、と今では笑い話ですが、なかなかできない経験に楽しさを覚えて行ったそう。
「このままでいい」とMOTOKOさんから言われた、私らしさ
普段から家族にフォーカスを当てて、すでにその日常の暮らしを撮っていた居川さんに、「あなたはこのままでいい」と、自分らしい写真のスタイルを変えずにいるよう言葉をかけたのが、講師のMOTOKOさん。ですが、「家族以外の人と対面でコミュニケーションを取りながら撮影をすることは、容易ではなかった」、と当時を振り返ります。
そう言いながらも持ち前の明るさと自然体を武器に、自分らしい写真を感性のままに収める彼女。自由で形に捉われず、ブレたりボケたりした写真も、一つのアートとして捉えられているかのように感じられて、ストレートに表現する描写は、昔も今も変わらないままです。
そんな彼女がこよなく愛用しているカメラは、OLYMPUS PEN-F。当時、講座を担当していたOLYMPUS社員(現OMデジタルソリューションズ社員)の方が使っているのを見ていいなと感じ、その手軽さとシックなフォルムに惚れたんだとか。
レンズは、M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm1.8の単焦点レンズをメインで使い、日中夜問わずいろんなシーンを捉えてくれます。
立ち止まることで見えたもの
居川さんにとって、アカデミー時代と現在の長浜ローカルフォトの中で、特に印象が残った活動とは?
そう尋ねると、様々な活動の中から2つを挙げてくれました。
その一つには、2018年に開催された『ほとけの言葉と写真展 - 立ち止まる - 』。これは地元・木之本にある浄土真宗のお寺の本堂で、木之本在住のカメラ女子3人による写真と、仏教の教えを含んだ法語とのコラボレーション「ほとけの言葉」の写真展でした。
仏教の教えや人生訓を住職が選び、何気ない日常の暮らしの写真にのせたほとけの言葉は、多くの人の心に響き渡り、まるで胸のつっかえが取れたような感覚に。訪れた多くの地元の方や観光客、普段お寺に来ないような方をも魅了する展示となりました。
『親は子供によって「親」にさせていただいている。』『自分を大切にできる人だけが他人も大切にできる』など、ハッとさせられる言葉がずらり。日々の時間が流れる中で、「写真を撮るときも立ち止まって撮るから、ほとけの言葉と一緒だな」居川さんはそう思ったそう。育児・家事・仕事と忙しくする中で、写真を撮らせてもらうのは、一瞬立ち止まっている時間。自分を見つめ直すことの大切さを改めて感じたといいます。
もう一つは、初めて見た『長浜曳山まつり』の子ども歌舞伎の撮影です。
同じ長浜に住んでいるのにもかかわらず、あまり良く知らないままだった伝統文化のおまつり。しかし、知人の息子さんが演者として務めることになり、日々の練習風景を撮らせてもらううちに、どんどん魅了されていきました。そんな中でも、子どもっぽくあどけない表情が、ひとたび衣装を着るとキリッとした役者顔になるところに感動を覚えると共に、健康管理やメンタルの部分など、影で支える親や家族の存在にも気づく事ができました。
もしもカメラがなければ感じ得なかった、その熱量とまつりに賭ける想い。そこへ足を一歩踏み入れることで見えてきた世界がありました。
長浜に根付いている産業や暮らし・文化は数えきれないほど存在しています。わたしたちのまちには、まだまだ多くの宝が眠っていて、ただそれが傍にあっても当たり前となって、気づいていないものがあるかも知れません。
私たち長浜ローカルフォトが写真の力を借りて出来ることは、「地域へ足を運び、暮らす人の生き生きとした姿を映すこと」
ローカルフォトの原点でもあるこの地道な活動を通じて、写真を見て笑顔になってほしい!そして「この故郷・長浜は素晴らしい!」そう思ってもらえるよう、これからもっと多くの人と関わり、メンバー同士が高め合いながら日々の活動に取り組んでいきたいと思います。
文:山内美和子
写真:居川美保、山内美和子
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