見出し画像

山に登る人たちが、日常でも使えるカメラポーチを作りたい。OM SYSTEM×ACTIBASE オリジナルカメラポーチ制作秘話

サッとカメラを入れて毎日持っていきたくなる理想のカメラポーチをつくるために、OM SYSTEMとACTIBASEがコラボレーションしました。こだわりがたくさん詰まったこのカメラポーチはどのように生まれたのか、ACTIBASE代表であり、ブランドディレクターを務めるみきさんのアトリエを訪ねました。

OM SYSTEM×ACTIBASE オリジナルカメラポーチ

素材:表地 X-PAC
   裏地 シリコンコーティングナイロン
   ポケット部 DCF Hybrid + ストレッチメッシュ
   ショルダーベルト 高密度ナイロン
   内蔵クッション 5㎜厚
サイズ:W 260(上部)160(下部) × H 210 × D 85㎜
軽さ:約100g
生産国:日本


ACTIBASEが初挑戦したカメラポーチ

安全性重視の大きくて重いカメラバッグではなく、装備をなるべく軽くして山に登る人たちのスタイルや、OM SYSTEMの小型軽量のカメラにあった、ハイキングでも日常でも使えるカメラポーチを作りたい……。そんな思いでOM SYSTEMがACTIBASEに声をかけたのは、2023年4月のこと。

ACTIBASEはアウトドアメディアや登山仲間のコミュニティを運営しながら、好きなカラーでカスタムできるバックパック「I.D.backpack」などのアイテムや、Tシャツなどのアパレル商品も手掛けるブランド。自分たちや仲間が本当に必要とする物、使うともっとアウトドアが好きになる道具を作るという理念にOM SYSTEMが共感し、今回のコラボが実現しました。

ACTIBASE 

「最初にお声がけいただいたのは、町田で開催していた『オフ・ザ・グリッド』のイベントでしたね。ACTIBASEの普段の物づくりは、アウトドアで使える機能性はもちろん、日常でも使えるようなデザイン性を意識しているので、思いがマッチして。ぜひ一緒に作りましょうとなりました」(みきさん、以下同)

ACTIBASEがカメラポーチを作るのは今回が初めて。「OM-5が入る、登山でも、日常でも使える軽いポーチ」をベースに、理想のカメラポーチの共同開発が始まりました。

Instagram @yama_to_mikiより引用


体にフィットする形とちょうどいい大きさ

年80日間、忙しいときでも週に1度は仲間と山へ行くというみきさんが、まず一番にこだわりたかったのは身につけたときにぴったりと体に寄り添う形にすることでした。
 
「私自身登山をしていて、カメラがぶらぶら動くのがすごく嫌なんです。ぶつかって危ないし、体にフィットしていないと重くも感じてしまうので、それだけはどうしても実現させたかったですね」

ショルダーベルトの縫い付け角度を斜めにすることで、体にフィットする形が実現

カメラが取り出しやすいファスナーの開きやすさも重要。最初は開きにくくて苦戦したものの、マチの角度を上向きにし、カーブにしたことで解消されました。
 
「ファスナーの角度を見つけたときは、感動しましたね。これだ!と(笑)。もともと独学で始めたこともあり、CADを使わずに設計しているので、カーブにしたらどういう形になるのか繰り返し計算したりつくって試すしかなく、すごく時間がかかってしまいました」

電池を収納するポケットをポーチ内部につけたほか、レンズキャップやSDカードがしまえるポケットも前面に配置。当初つけていたポケットのチャックは、取り出しやすさを優先してなくすことに。
 
またポケットの上部に使用している銀色の素材は、人気のDCFを使用。防弾ジョッキにも使われる繊維で作られた薄い素材で、鉄の15倍の強さを持つと言われているそう。使うとシワができて経年変化が楽しめる特長があり、デザインのアクセントとして取り入れられました。

網目のちょうどいい大きさにもこだわった前面のポケット
本体の生地は、アウトドア製品で主流のX-PAC。
防水性能と強度がある軽量素材

またカメラを保護するクッション素材の厚さは1 mm、5 mm、1cmと試し、安全性と軽さのバランスから5mmを採用。
 
「ミリ単位の大きさや厚さ、角度のずれで、使いやすい、使いにくいが変わってくるので、機能的かつ普段使いしやすい大きさはどれくらいなのか、バランスが難しかったですね」


追い込みながら理想を目指した、試行錯誤の日々

カメラポーチの製作期間は約半年。はじめてつくるカメラポーチに、さまざまな苦労や悩みがあったとみきさんはいいます。

Instagram @yama_to_mikiより引用

「イメージを共有するために作った試作品1号の方向性は問題なかったのですが、その後、大きさや使い勝手の良さを検討するのに、苦戦して……。これらは、涙、涙の試作品です(笑)」

とにかくたくさん作って研究した試作品の数々

特に試作品3号は、カメラを取り出しやすくすることを考えすぎてサイズが大きくなり、案はすぐに却下。
 
「日常使いがしにくい大きさになってしまいました。大きすぎず使い勝手が良いサイズはどれくらいなんだろうと、サイズを何度計算しても全然うまくいかず、沼にはまってしまいましたね」

サイズや形を決めるために、いろんな紙に手書きした設計図
右から試作品1号、2号、3号。いちばん左が完成したカメラポーチ

「アウトドアブランドで修行していたときの先輩で、カスタムオーダーのスーツをつくっているテイラーの方にも協力してもらい、夜中まで相談にのってもらって、助けていただきました」

Instagram @yama_to_mikiより引用

さまざまな道のりを経て、ようやくOM SYSTEMとACTIBASE双方が納得するカメラポーチのデザインが決定。最後はひとつひとつミシンで縫い、2023年12月末、OM SYSTEM PLAZAで開催された「ACTIBASE POPUP STORE」で先行販売されました。

Instagram @yama_to_mikiより引用

どんな思いで作ったのか、背景のストーリーも届けたい

2016年にアウトドアメディアと登山仲間のコミュニティから始まったACTIBASEが、アウトドアブランドを立ち上げて試作品をつくり始めたのは2018年頃。
 
それまで物づくりの経験がなかった当時代表のしょーまさんとみきさんは、2人で市販のバッグを解体して研究したり、ミシンの練習をしたり、バッグ製作の技術者にコンタクトを取ってレクチャーをしてもらうなど、一から物づくりを学びました。まずは試作ロットで商品をつくって販売すると思った以上の反響があり、2020年から「I.D.backpack」などの正式販売を開始。
 
「独学でも続けられたのは、物づくりの楽しさを知ったことと、応援してくれる人たち、欲しいと言ってくれる人たちがたくさんいたから」。みきさんはいつもInstagramのストーリーで製作過程をアップし、ファンと共有しています。

Instagram @yama_to_mikiより引用
「登山と同じくらい、物づくりが好きになりました」と、みきさん

「形になったときが一番嬉しい。登山仲間の評判もよく、買いました!って、持ってきてくれる人もいて。届いたんだって、嬉しかったです。たくさん使ってもらいたいですね」

ホワイトボードには製作スケジュールがぎっしり。自分へのメッセージも

OM SYSTEMとACTIBASEのこだわりがたっぷり詰まったカメラポーチはOM SYSTEMのオンラインショップやOM SYSTEM PLAZAで販売。ぜひこのカメラポーチと一緒に、撮影を楽しんでくださいね。


OM SYSTEM×ACTIBASE オリジナルカメラポーチ

Instagram @ACTIBASE 

文:安藤菜穂子
写真:OM SYSTEM note編集部


#omsystem #ACTIBASE   #outdoor


最後まで読んでいただき、ありがとうございます! 「OM SYSTEM note」では、「人生を彩る最高の映像体験ストーリー」綴っていきます。 「OM SYSTEM note」のフォローをお願いします。