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第13回 FOCUS展「刹那、夢の如く」新村尚子インタビュー

■写真展情報
会場:OM SYSTEM PLAZA クリエイティブウォール
開催期間:2023年6月29日(木)~7月10日(月)

■出展者インタビュー
OM SYSTEM のカメラ・レンズを使って表現力、創造性に富んだ作品を生み出すフォトグラファーに、発表の場を提供するOM SYSTEM PLAZA FOCUS展。OM SYSTEM プロ会員(OMPS会員)からの推薦により、年間2名の展示を行っています。今回は写真家・秦達夫氏の推薦で選ばれ、クリエイティブウォールで展示した新村尚子さんをご紹介します。

新村 尚子 Naoko Shinmura
静岡県浜松市出身。
(株)ティムコ勤務 Foxfire伊勢丹立川店店長
写真愛好家の母の影響で写真撮影に興味を持つ。
現職にて写真家秦達夫氏のフォトイベント等を担当したことがきっかけで本格的に写真撮影を学び始める。
秦氏主催のTeamT2oに所属し師事を受け現在に至る。
ジャンルを問わず楽しむことを第一に日々撮影に取り組んでいる。
所属:TeamT2o
作品展(グループ展):第1回~第3回 TeamT2o作品展 江戸・東京・TOKYO



自分の作品と真剣に向き合った初めての経験

――新村さんが写真を始めたきっかけを教えてください。

私はアウトドアブランドのFoxfireで働いているのですが、撮影イベントや撮影ツアーの担当をすることが多かったんです。もともと母が写真愛好家だったので少しはかじっていたのですが、写真家の先生のレクチャーを聞いたり、講評会で参加者の皆さんの作品を拝見したりするうちに刺激を受けて、本格的にやってみたいと思うようになりました。それで仕事でお世話になった秦達夫先生の写真教室「T2o」に参加させていただくようになったんです。

――今回展示した16点はどのような作品ですか。
 
Foxfireでは写真を撮りながら自然を楽しむことを「フォトレック」と呼んでいます。今回は過去5年の間にフォトレックで撮影した写真から選びました。場所は様々で、尾瀬や昭和記念公園、新宿御苑、奥日光、尾瀬、雲取山、北アルプス、雲竜溪谷などもあれば、家の前の写真もあります。最初は春夏秋冬で4枚ずつ選ぼうと思いましたが、最終的には花、水、雲、氷の4つの風景に分けて展示することにしました。

――FOCUS展に選ばれたとき、どのようなお気持ちでしたか。

もちろん嬉しかったのですが、驚きやプレッシャーも大きかったです。それまで自分の作品を客観的に見たり、考えたりした経験があまりなかったので、力量も全然わかりませんでした。自分の作品と真剣に向き合った初めての経験、と言っていいかもしれません。ただ、選んでいただいたからには、背伸びはできないけど今の自分が持っているものは誠意を持ってぶつけようと、この半年間、取り組んできました。

――秦先生にもアドバイスなどいただいたのでしょうか。

秦先生のナビゲーションやディレクションがなければ、この展示はできませんでした。まずは自分で200枚ほど選び、そこから先生とのセッションで絞り、この展示の形になりました。過程が全て、勉強になった期間だったと思います。

一期一会で出会う瞬間を大切に

――タイトルの『刹那、夢のごとく』にはどのような思いが込められていますか。

自然との出会いは、一期一会で刹那的なもの。その一瞬を大切に切り取った写真が好きなこともあり、このタイトルにしました。また今回、秦先生に選んでいただいて展示できたことは、私にとって身に余る機会だったんです。夢の中に放り込まれたような心境でした。だから今の自分の状態を現わした、「夢」という言葉も入れたいなと思ったんです。

――DMの写真もタイトルにぴったりですね。

この写真は黒姫高原で明け方に撮影しました。この日は風があり、流れていく雲の表情が美しくて。まるで水墨画のようでした。合成技術で高解像写真が撮れる三脚ハイレゾショットの機能を使い、より雲を立体的に表現してみました。

OM-D E-M1 Mark Ⅱ
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3

――特に苦労した1枚を教えてください。

行くのが大変だったのは、北アルプスの鏡平池です。片道4時間弱ぐらいかかりました。撮るのが大変だったのは、昭和記念公園で撮った桜と鳥の写真でしょうか。鳥が桜と戯れているショットを撮りたいなと思って粘りましたが、動物は動くのでどうしてもブレてしまって。苦労して撮影した1枚です。

OM-D E-M1 Mark Ⅱ
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3


――こちらの作品は幻想的で美しいですね。

尾瀬で朝日の撮影をしている合間に撮ったものです。池に映り込んだ木々や、手前の草を前ボケにして撮っています。前ボケや映り込みが好きで普段から気にして探しているのですが、ちょっと不思議な、いいシチュエーションに出会えました。

OM-D E-M1 Mark Ⅱ
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3


OM SYSTEMのカメラで広がった世界

――OM SYSTEMのカメラを手にしたきっかけは何ですか?

写真を始めた頃は母のお下がりの一眼レフカメラで撮影していたのですが、私の体力不足でどうしても重さを感じてしまったんです。それでミラーレスカメラを使ってみようと思い、OM-D E-M1 Mark Ⅱを手に入れました。

――ミラーレスカメラにもいろいろありますが、OM SYSTEMを選ばれたんですね。

ボディの軽さや強さ、ライブNDやハイレゾショットなどいろんな機能が使える魅力もありますが、何よりも一番の決め手は世界が広がったことです。洋服を選ぶとき、この服を着てあの場所へ行きたいと思うことってありますよね。それと同じように、このカメラを手にしたとき、一緒にいろんなところへ行きたいって、すごく思ったんです。

――レンズはM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3を愛用されているとのことですが、どんなところが気に入っていますか?

山登りしながら撮影することが多いので、レンズチェンジをしなくても、ある程度カバーできる点でしょうか。もちろん、ちゃんとレンズを変えて撮らないと表現できないショットもありますが、自然の中だとこまめなレンズチェンジができない時もあります。今の自分にとっては1本でカバーできるメリットが大きいと思っています。

漠然としていた夢や目標のスタートラインに

――写真展でのお客さんの反応はいかがでしたか?

そこまで注目されると思っていなかった作品に良いご意見を頂くなど、皆さん着眼点が違って新たな発見がありました。思っていた以上に、多くの方に来ていただけましたね。勤め先のFoxfireのお店に来ていただいているお客様がわざわざ足を運んでくださったり、友人たちやT2oで一緒に勉強している皆さんが、温かく見守ってくださったのも嬉しかったです。普段はお話できないような写真家の方がいらっしゃり、頂戴した一言一言も勉強になりました。


――ありがとうございます。最後に、今後の目標について教えてください。

実は今回のFOCUS展にお声掛けいただく前から、いつか個展ができたらいいなという漠然とした夢や目標があったんです。でもそれはずっと先のことだと思っていました。今回、FOCUS展の機会を頂けたことで、継続して実現できるように、より精進していきたいと思うようになりました。漠然と思っていた時よりも、少しは輪郭が見えた気がします。自分の中でこれがスタートだと思える展示となりました。


文・安藤菜穂子
写真・村田麻実

■過去のFOCUS展インタビュー

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