解説!鳥の鳴き声図鑑#004 ~秋の渡りのヒタキたち~
皆様こんにちは。YouTubeチャンネル「解説!鳥の鳴き声図鑑」のみきと申します。
9月に入りましたが、まだまだ蒸し暑さが続いていますね。野鳥界では、9~10月にかけて「秋の渡り」のシーズンが本格化。繁殖のため日本に来ていた夏鳥たちが、日本各地を経由しながら東南アジアへと帰っていったり、ヒヨドリなどの留鳥も平地や南方へと移動したりする様子が見られます。そのため、春~夏の繁殖期には山地でしか見ることができなかった野鳥も、渡り途中に平地の身近な場所で観察できる、ちょっとラッキーな季節なんです。そこで今回は秋の渡りで見たい、ヒタキの仲間3種をご紹介します♪
くりくりな目のコサメビタキ
9月15日の、16時頃のこと。まだセミの声が響く中、自然公園を散策していると「チチチ…」と聞きなれない乾いた声が聞こえてきました。<秋の公園は小鳥がいっぱい!野鳥撮影vlog(0:49~)>杭の上にいたのは…コサメビタキです!
背中や翼は淡い灰褐色で、胸~お腹は白っぽい色。そして目の周りや口元が白いため黒色のつぶらな瞳が一層際立ち、全体的に可愛らしい印象ですね。
この日はどうやら2羽で行動していたようで、木の枝から枝を移動していました。引き続き観察を続けていると…なんと、大きなトンボをゲットする場面に遭遇!<秋の公園は小鳥がいっぱい!野鳥撮影vlog(1:18~)>このように、渡り途中の野鳥たちは休憩地点でたくさん餌を食べて体力をつけ、長距離移動に備えます。そのため比較的長く一か所で留まる傾向があって、この2羽もその後1週間ほど、同じ公園で観察することができました。
しましま模様のエゾビタキ
続いて9月29日、13時頃のこと。今度は街中にある城内の公園にやってきました。枝に止まっているのは…エゾビタキです!<秋の公園は小鳥がいっぱい!野鳥撮影vlog(0:49~)>
先ほどのコサメビタキにもよく似ていますが、胸~脇にかけて細かい縦しま模様が入るのが特徴。枝やフェンスの上など、目立つ場所に止まってじっとしていることが多いので、見つけやすいです。またこの1羽だけではなく、エゾビタキ3羽、コサメビタキ1羽、キビタキのメス1羽、オオルリのメス1羽も近くで見つけることができました。このように、ヒタキの異種で数羽の群れを作って行動していることもあるようですね。
またお城周りは木の伐採等、古くから人の手があまり加えられていない場合が多く、街中であっても自然度が高いため、野鳥にとっても居心地がいいのかもしれません。
夏とは別人!?ノビタキ
続いては場所を変えて、農耕地にやってきました。10月16日の9時頃、畑のロープに止まっていたのは…ノビタキのオスです!<猛禽チョウゲンボウ登場!農耕地は鳥がいっぱい♪野鳥撮影vlog(3:19~)>
実はこの子、鳥のきもち7月号「夏の高原編」でご紹介したあのノビタキなんです。オスの夏羽では真っ黒な頭が印象的でしたが、冬羽では目の周りに黒さが残る程度で、淡い橙色に衣替え。まるでメスのような地味な見た目ですが、秋の農耕地では周りの色に溶け込み、「保護色」になっているのかもしれませんね。
また見つけるコツとしては、整地された畑よりも、草が茂って少し荒れた畑を探すのがおすすめ。草の上や畔など、地面近くで止まっていることが多いです。さらにはコスモス畑や白い花のソバ畑などにいることもあり、お花とのコラボレーションも美しいですね♪
ぜひ皆さんも、期間限定の秋のヒタキたち、探してみてください。
さて今回の撮影では、OM-1のAI被写体認識AFが活躍。枝葉の中にいることが多いヒタキ類も瞬時に識別してピントを合わせてくれるため、撮り逃しが減り快適に撮影することができました。
文・写真・動画:解説!鳥の鳴き声図鑑 みき
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