自分中心から相手中心に。視点を変えた取材活動 ー いこまち宣伝部9期生 松田愛
2023年10月から、いこまち宣伝部 9期生13名の活動がスタートしました。
取材・撮影・記事作成など、5回の研修を受けてフィールドに羽ばたいた部員たちは、いまどのような気持ちでいるのでしょうか?また部員を地域に送り出した行政職員は、どのような想いで活動を支えているのでしょうか?
9期生の松田愛さんと、担当である生駒市職員の石井芽(めい)さんにお話を聞いてみました。
◆取材される側からはじまった宣伝部との関わり
――― まずは松田さんからインタビューをお願いします。
――― 応募したきっかけは?
2022年に整理収納アドバイザーとして開業しましたが、2人目の妊娠・出産と重なり、しばらくはホームページやSNSによる発信を中心に活動していました。当時は人とのコミュニケーションが苦手で、新しい人間関係をつくるのが不得意だと思い込んでいました。ところが、子どもが生後6ヶ月になった頃に個人宅の訪問サポートを始めてみたら、異なる世代の人や、家のことで悩む人の相談相手になることが楽しくて。もっとたくさんの方に会ってみたいと思うようになりました。
ちょうどその頃、いこまち宣伝部8期生の方が、私を市の公式Facebookの記事に取り上げてくださいました。これがきっかけで宣伝部に興味が湧き、私もやってみたいと思って応募しました。
――― 宣伝部員に決まったとき、どんな気持ちでしたか?
応募の結果待ちのときに、『ヒロミメシ』という屋号でお料理の仕事をされている、藤井宏美さんに出会いました。自宅をプライベートレストランとして開放したり、お弁当やオードブルを販売していて、人柄も気さくで。なんて素敵なんだろうと思い「もし宣伝部員になったら、取材させていただけませんか?」とその場で交渉しました。当選した時は、なんだか運命に招かれているような気分でした(笑)。
――― 研修を受講した感想は?
オリエンテーションで研修中に記事を1本仕上げると聞いて、ドキドキしました。でも、写真や文章を講評してもらいながら完成させることで、宣伝部員としての実感が湧いてきました。
またそれまでは、古い自分のデジタルカメラを使っていて、ほぼオートモードのみ。
宣伝部でOM SYSTEMのカメラを借りたとき「使いやすい!」と感動して、どんどん撮影にはまっていきました。
写真講座では、同期の写真を見て、自分が撮ったことのないシーンについても学ぶことができました。たくさんの刺激があってよかったです。
◆取材する側になって生まれた気持ちの変化
――― 活動をスタートして、ご自身に変化などありましたか?
応募した時は「もっと人に会ってみたい」とか「どんな働き方をしているか知りたい」という自分中心な動機で、「私はライターもカメラマンも初心者だから」という甘えた気持ちがありました。でも実際に取材を経験して、「どうすれば人柄や想いを伝えられるか」と相手中心に考えるようになりました。中途半端な内容で出せば、取材先や市の職員さんが悲しみますよね。いまは、仕事のようにしっかりモチベーションを上げて、できる限り良い記事にしたいと思っています。
――― これまでに、嬉しいことはありましたか?
ある男性デザイナーを取材したときのことです。記事を読んだ方が、彼の想いや作品に触れて共感し、個人的にお仕事を依頼されたと聞きました。デザイナーさんはとても喜んでいて、私もうれしかったです。宣伝部の活動を通して、誰かの役に立つことができたらいいですね。
――― これから任期の中盤にさしかかりますが、どんなことを意識して活動したいですか?
「自分中心」から「相手中心」に想いが変わってきたので、取材先を選ぶときのマインドをチェンジした方がいいかなと思っています。例えば、いままで取材した方はわりと有名な人です。いいね!もたくさん頂きましたし、知っているからみんな推してくれる。でも今後は、駆け出しの方や若手など、これから頑張っていく人を応援したいです。そして読者の方には、まだ知らない新しい情報を提供していきたいです。
◆部員と職員と取材先、三人四脚で歩みたい
――― それでは職員の石井さん、お願いします。
――― 松田さんのお話を聞いてどう思いましたか?
いこまち宣伝部員になって、素晴らしい変化を経験されているなと思いました。松田さんは、取材先の想いが伝わる素敵な記事を書かれるので、私も原稿を拝見するのが楽しみなんです。自らモチベーションを上げようとしていることも嬉しいですし、活動を思い切り楽しんでもらいたいなと思います。
――― 担当職員として心掛けていることはありますか?
どの記事も思い入れや苦労があって作られたものだと思うので、校正作業が、ただの文字数カットや文言修正にならないように気をつけています。読んだときの感想なども共有して、部員と職員と取材先の方が、同じ方向へ三人四脚で歩んでいくような感覚でいたいなと。最近は、9期生の文章や写真がめきめきと上達しているんですよ。その進化が驚きや喜びをもたらしてくれて、私の活力になっています。
9期生と職員さんの想い、いかがでしたか?
いこまち宣伝部の部員たちは、取材という未知の領域にチャレンジすることで、視点を変え、まちとの関係を深めていきます。嬉しいことや楽しいこと、ときには苦労も経験しながら成長していく様子は、まさに「部活」。あたたかく見守る職員さんとともに、生駒市の魅力を発信し続けています。
文・写真:中村京子
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