解説!鳥の鳴き声図鑑#012 ~さえずりだけじゃない!鳥の求愛いろいろ~
皆様こんにちは。YouTubeチャンネル「解説!鳥の鳴き声図鑑」のみきと申します。5月に入り、鳥たちは繁殖期真っ盛り。昼夜を問わず、様々な鳥の「さえずり」が聞こえています。鳥のきもち第10回では、「さえずり」が求愛や縄張り宣言の意味があるとお話しましたが、実は鳴き声以外にもアピールする方法があるんです。今回はそんな鳥たちのユニークな求愛行動の数々をご紹介します。
キジのホロ打ち
まずは、キジです。繁殖期にはオスが「ケーンケン!」とけたたましい2音の声で鳴くのですが…よく聞いてみると、鳴き声の後に「ドドドド…」という低い音が。<キジの鳴き声(0:22~)>
実はこれは鳴き声でなく、高速で翼を羽ばたいて音を出しています。スローで確認してみると、なんと3秒間に10回も羽ばたいていました!この行動は「ホロ(母衣)打ち」と呼ばれ、その由来は遡ること戦国時代。「母衣」とは武士が鎧の背中にまとっていた大きな布のことで、戦場を駆け回る際の母衣がはためく音に似ていたからという説も。確かに戦国武将を彷彿させる大迫力の音で、近くで聞くとかなりびっくりしますね。キジの他にも、ヤマドリもこのような音を出します。
キツツキのドラミング
続いては日本最小のキツツキ、コゲラです。木の上の方の枝に止まり、「キッキー!」と甲高い声で鳴いてアピール。その後、「コロロロ…」という軽めの音が!<コゲラの鳴き声(0:45~)>
これは「ドラミング」と言って、木をクチバシで連続でつついて音を出しています。その数1秒間に20回とも言われ、とても目で追える速さではありません。
キツツキの種類によっても、ドラミングの音は異なります。体の小さいコゲラは軽めで短い音ですが、一回り大きいアカゲラやアオゲラはより大きく重ためな音、北海道に生息する日本最大のキツツキ・クマゲラに至っては、機関銃のような音とも例えられます。フィールドで聞き比べてみても、面白いかもしれませんね。
鳥の恋ダンス!
最後は、可愛らしいダンスをご紹介。
ミソサザイが鋭い高音でさえずりながら、下の方を気にしています。<ミソサザイの鳴き声(1:21~)>その直後、翼を広げてパタパタと動かし始めました!
実はこれ、オスが下の方にいたメスに求愛し、巣へと誘っていたんです。小さい体ながら懸命に羽ばたく様子は、とても愛らしいですね。
他にもダンスをする鳥を発見!木の枝で左右に首を振る2羽の鳥は…アオゲラです!<アオゲラの鳴き声(1:31~)>
オスがダンスをしながら近づくと、メスも応じてクルクル。なんだか楽しそう?にも見えますが、これも大事なコミュニケーションの方法の1つなのでしょうね。アカゲラやオオアカゲラなど、他のキツツキ類でも同じような行動が見られました。他の鳥はどんなダンスを踊るのか…ぜひ見てみたいです!
というわけで、いかがだったでしょうか?繁殖期にはオスは様々な技を使って、必死にアピールしていることが分かっていただけたかと思います。鳴き声だけでなく、鳥が出す色々な音や仕草にも注意しながら、観察したいですね。
さて今回の動画も、音声録音にはリニアPCMレコーダー LS-P5を使用。鳴き声のような高音域はもちろん、カメラの内臓マイクでは拾いづらい羽音やドラミングのような低音も、しっかりと拾ってくれました。また自然音だけでなく、実は動画作成時のナレーションもLS-P5で録音しています。人の声も綺麗に撮れ、持ち運びしやすい手のひらサイズなので、色々な場面で重宝していますね。
文・写真・動画:解説!鳥の鳴き声図鑑 みき
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