解説!鳥の鳴き声図鑑#013 ~夏山で聞く!鳴き声が有名な鳥3種~
皆様こんにちは。YouTubeチャンネル「解説!鳥の鳴き声図鑑」のみきと申します。6月は下旬に差し掛かり、林内では木が茂り鳥を見つけづらくなってきました。そこで今回は、開けた山地の草原や里山で探鳥。これからの時期でも見つけやすい鳥たちをご紹介します。なお第2回の記事ではノビタキ、ジョウビタキ、ホオアカ等の可愛い小鳥たちを取り上げましたが、今回は鳴き声が有名な3種にフォーカスします!
ウグイス
5月下旬の高原にて、朝6時半頃。「ホ~ホケキョ!」と美しい声が聞こえてきました。<初夏の高原は鳥がいっぱい!【野鳥撮影vlog】(4:38~)>
草の天辺で鳴いているのは…ウグイスです!オスのさえずりをよく聞いてみると、高い声<初夏の高原は鳥がいっぱい!【野鳥撮影vlog】(4:53~)>と低い声<初夏の高原は鳥がいっぱい!【野鳥撮影vlog】(6:20~)>の2パターンあることが分かります。実はウグイスは鳴き声を使い分けて、よく通る高い声(H型)は広範囲への縄張り主張、低い声(L型)は近くのオスを威圧していると考えられています。
またさえずりの他にも、「ケキョケキョ…!」というけたたましい声も。<初夏の高原は鳥がいっぱい!【野鳥撮影vlog】(6:04~)>これは「谷渡り」と呼ばれる鳴き方で、警戒を意味します。
また鳴いている瞬間をよく見てみると…喉のあたりの羽毛が抜けてしまっていますね。
それもそのはず、ウグイスは早朝はもちろん、日中も鳴き続けていることが多く、よほど喉を使ったのかもしれません。ボロボロになりながらも一生懸命に鳴く姿が、とても印象的でした。
カッコウ
引き続き高原にて、夕方5時半頃。「カッコウ♪」と、聞き馴染みのある声が聞こえてきました!<カッコウの鳴き声(0:05~)>
木の天辺でさえずる、カッコウを発見!その鳴き声は童謡で歌われたり、歩行者用信号機やファミレスの呼び鈴の音に使用されたりと、日常でも様々な場面で耳にします。有名な声ですが姿を見る機会は少なく、今回初めて鳴く様子を間近でじっくりと撮影できました。
カッコウは全長35cmと、身近なカッコウ科の中では最大。さらに林縁部や草原にぽつんと生えた木の天辺などに止まり、朝から日暮れまで鳴き続けるため、比較的見つけやすいです。
またカッコウ科の最大の特徴と言えば、托卵。他の小鳥類の巣に卵を産み、子育てをさせます。種によって托卵相手は異なりますが、カッコウの場合はウグイス類・モズ類・ホオジロ類・セキレイ類・オナガ等、様々。そのため標高数百~1000m以上と、身近なカッコウ科の中では最も幅広い範囲で見ることができます。
ホトトギス
場所が変わり、6月中旬の里山、夕方5時頃。特徴的なメロディーが聞こえてきました。林縁部の木の天辺で鳴いているのは…ホトトギスです!<ホトトギスの鳴き声(0:06~)>
鳴き声はリニアPCMレコーダーLS-P5で録音。
200mほど離れていても、声を拾うことができた。
「特許許可局 (とっきょ・きょかきょく) ♪」や「天辺かけたか♪」など、ユニークな聞きなしでも有名なこの声。主に夕暮れから日の出前まで、特に夜中にもよく鳴きます。さえずりをじっくり聞いてみると、最初は高らかにはっきりとさえずっていますが…、繰り返し鳴くうちにだんだんと1フレーズが短くなり…しまいには声が小さくなって、フェードアウト。思わず最後まで頑張れ~!と応援したくなる鳴き方ですね(笑)
またさえずる際は動画3のように木の天辺に止まることもありますが、枝の中に隠れていることも多く、なかなか見つけづらいです。ただホトトギスの主な托卵相手はウグイスであるため、ウグイスがたくさんいるような環境を探してみると、見つかるかもしれません。
これから夏の時期にかけては平地の鳥のさえずりは落ち着いてきますが、標高の高い山地ではもう少し楽しめそうです。特徴的な鳴き声を頼りに、ぜひ探してみてくださいね。
文・写真・動画:解説!鳥の鳴き声図鑑 みき
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